堕天使・悪魔 / Fallen Angels・Devils
いわゆる天使=善なる光の存在をより良く認識するためには、対ともいえる陰なる闇の存在=堕天使、または悪魔についても知らねばならないだろう。
光を在る処に闇も在る。むしろ、神の敵対者たる闇の存在があってこそ、光の高貴の側面はより際立つ。病、戦などの物質的な暗き事柄だけでなく、妬み、嫉み、憎み、恨みなどの負の精神、感情をも含めた闇の存在=堕天使、悪魔。彼らは光の側の救済者、天の御使いや唯一の神の立場を明確にする為に必要な天の配剤なのか。
そう、天使は無論のこと、堕天使、悪魔すらも、神が造り出した存在なのだ。
また、一神教信仰が、異国異教の神々をどのように吸収していったかも興味深い物語だ。これら一神教が伝播していく過程で、多くの国々が国教として取り入れていった事実がある。勿論、それは救済をもたらす民衆の為の宗教である。だが、その排他的な信仰は、時の為政者・征服者にとって都合の良いものだった事は否定できない。
街や国という物質世界を支配する者にとって、土着の神々や地域信仰を根絶やし、悪魔という恐るべき存在を配置させるこの教えは、人々の希望や果ては魂という精神世界すらも屈服させるに充分な「システム」と成り得たのだ…。
本項では、原罪「七つの大罪」の悪魔、光貴なる「サタネル」、監視者であり堕落者「グリゴリ」の天使たち、また、ユダヤ・キリスト教という一神教の宗教が発展するにあたり、悪の存在として取り込んできた異教の「貶められし神々」、天から堕ちし「地獄の貴族」、またその他の「力ある堕天使・悪魔たち」について取り扱う。
…:IzFACT「堕天使・悪魔/Fallen Angels・Devils」解説ページでは、堕天使・悪魔の概略と、個々の存在についてイラストと解説を交え紹介していきます。