３０の悪魔軍団を指揮する公爵である。召還されると３つの頭を持つ竜として描かれる。頭の組合せは、人間とグリフォンと犬もしくは２つの竜頭に人の顔であるとされる。鋭い鉤爪は銀でできており、緑の鱗は翡翠だといわれる。

会話能力と英知を授け、死の呪文を支配する。ただ、彼の英知を求めるのは次の記述を読んでからにするといい。

ブーネ最大の能力はネクロマティック＝「死人使い」。死者の居場所を自由に変え、死人を起き上がらせる。彼の会話能力や知恵は死人に与えられるものなのだ。もし、不用意に彼の力を借りれば知恵は手に入るだろうが、あなた自身が死者となるかもしれない。

また、墓地に自分の配下の悪魔を集めることができる。タタール人たちはブーネに従う悪魔をブニと呼んだ。ブニはきわめて有害な存在として恐れられ、その害から身を守るには曇り無き良心を持たねばならないとされていた。しかし、ひとたび飼い慣らし使い魔とするならば、その力で未来を予見できたといわれる。

現在もっとも身近な降霊術は｢コックリさん｣か。これも、未来や人の秘密を覗く立派な降霊術だ。ブーネのタリスマンでその精度を上げることも可能だろう。

　悪魔紋章 "26 ブーネ／Bune"