ラファエルの名のうち、ラファとはヘブライ語で「癒す者」「医者」等を意味する。「力天使」とされるが「熾天使」の6枚の翼を持ち、さらには「智天使」「主天使」「能天使」にも属す。出生はミカエル同様にカルデアの神とされ、そこではラビエル/Labbielと呼ばれた。また「旧約聖書外典トビト書」のみだが、その名を記された数少ない天使である。

大天使ラファエルは、四大エレメントのうちの風、西の方位、理性の霊力、正義の美徳を司る。また、ヤコブにイスラエルの名を与えた。"堕天使の牢獄"第二天ラキアと水星の支配者。シンボルは「炎の剣」。

ラファエルの職務は人々への癒しである。トピトの白く濁った目(諺「目から鱗」の語源)や、アブラハムの割礼の痛みを癒した。また、ラファエルはデュナミスと呼ばれる能天使別働隊の指揮官ともされ、悪魔に対しては苛烈な攻撃を仕掛ける。

しかし、この天使には解釈し難いことが散見される。ラファエルはトビトの息子トビアに薬品知識を教えた。これは神が禁じた人への知識伝授のようだが彼へのお咎めは一切無い。また、彼はヘブライの窖:シオウル、冥界内部の導き手とされ、大地のデーモンとして恐ろしい獣の姿で現れる、とも伝えられるのだ。

「栄光の天使」の確定している一人。「生命の樹の天使」として第八のセフィラー:「ホド」を守護する。

ホド/Hod:「栄光」(受動的知性とも)
象徴:数字・8、色・橙、金属・水銀、惑星・水星
神名はエロヒム・ツァオバト。ホドは物質的形態(形態とはカバラ思想では"内的存在の具現"を指す)の「鋳型」。シェルの君主サマエルと対立する。

ラファエル/Raphael