カマエル/ChamaelまたはKamaelは、「神を見る者」という意味の名をもつ、赤い鎧と長剣を携えた猛々しき大天使であるカマエル。その役職は能天使の指揮官であり、彼の指揮下に控える「破壊・罰・死」などの14万4000人の天使たちと共に神の正義を司り、敵対者へ苛烈な攻撃を容赦なく実行する。セクンダディでは火星を司る。また、カマエルの名はカミーユ、カミラといった一般的な人名の語源ともなっている。

さながら破壊の権化とも言うべきカマエル。こうした攻撃的な性格からか、彼は堕天使とも、多くの悪魔を引き連れた「地獄の男爵」「赤い豹の悪魔」ともいわれる。また、カマエルをアダムを誘惑したエデンの蛇、堕天使サマエルと同一の存在とする説すらある。

神の代弁者たるミカエルを天使軍団の表を司る総司令官とするなら、さしずめカマエルは裏の側面、すなわち奇麗事だけで片付かない汚れ役を一手に引き受ける特殊部隊司令官といった役所なのではなかろうか?

カマエルは「栄光の天使」の"確定していない三人"の候補者であり、また「生命の樹の天使」として第五のセフィラー:「ゲブラー」を守護する。

ゲブラー/Geburah:「峻厳」(宇宙的悪とも)
象徴:数字・5、色・赤、図形・五角形、金属・鉄、宝石・ルビー、惑星・火星
神名はエロヒム・ギボール。神の力を司り"正義の実行"を理由とした破壊的性格を備える。別名「天界の外科医」と呼ばれる。また、このセフィラーの守護天使はサマエルであるという説もある。対立するシェルのデーモンはゴレブ。

カマエル/Chamael