複数形はアークエンジェルス/Archangels。天使階級下級第二位。元々は「大」天使の名の示すとおり、天使を統べる最も高貴な存在だったが、神学の進化する過程で徐々に位階を下げ、現在では8番目の階級となった。しかし、その実力は極めて強大だ。大天使は神の意思を直接聞き、それを実行する為に無数の天使達を指揮するのだ。そんな大天使の中で最も権威ある存在、かつ天使軍の総司令官はミカエルである。

彼らは神と同席することを許された御前天使/Angels of Presence、または栄光の天使/Angels of Gloryなどとも呼ばれる。この階級の天使は7人で構成される。何故この人数なのかは、ヨハネの黙示録において「終末」を記された書物の封印が「7」つあることが参考になるだろう。この封印を解く=世界の終末に吹かれる7つのラッパを担うのが大天使なのだ。

さて、ユダヤ・キリスト教ともに7人という数は一致しているのだが、それが誰なのかは数多くの解釈が為されている。その中でも必ず記されるのはミカエル・ガブリエル・ラファエル・ウリエルの四大天使。しかし、残りの3人はラグエル/Raguel、ラミエル/Ramiel、サリエル/Sariel、メタトロン/Metatron、カマエル/Camael、ハニエル/Haniel、サラカエル/Saraquaelなどを候補に意見が分かれている。

この階級から堕天した天使達は、地獄でも有力な存在となっている。地獄の七君主「神の命令」サリエル/Sariel、同じく七君主の一人、元エジプトの守護天使で始原の海の支配者ラハブ/Rahab、ペルシアの守護天使ドビエル/Dubbiel、戯曲で有名な「光を愛せざる者」メフィストフェレス/Mephistopheles、稲妻と嵐の支配者「吠ゆる者」リモンなどである。

大天使アークエンジェル/Archangel